『いい手の日』SS – 四季のプラーニュ – ヘリオフラッソス
爪の先を、彼の筆がそっと撫でた ひやりとした感触が伝わるたび、息を潜める 光に生まれたはずの身が、黒を受け入れていく――それは、ほんの少しの背徳にも似ていた 黒き爪紅 本来は、毒を避けるためのものだと聞いた (毒が毒避け、わらってしまう)…
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“ファルメリアフォノス” – 四季のプラーニュ – ヘリオフラッソス
胸の奥がざわめく。 十七年。 わらわがこの形を得てからの、歳月。 ――それより前? あるわ、けれどただ思い出せるだけ。ヘリオフラッソスというソラの夢。 それは夢でしかなく、カラの水瓶を覗きこんでいるみたいに、どこまでも近く、遠い。 初めて…
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